有馬温泉には7つの泉質がある
環境省が認定する療養泉の主成分9つのうち7つが集結
有馬温泉は、環境省が定める療養泉の主成分のうち、実に7つの成分を含む温泉です。これは全国的に見ても極めて珍しく、ひとつの温泉地でこれほど多くの泉質が楽しめる場所はほとんどありません。
含まれる成分は、単純性温泉、二酸化炭素泉(炭酸泉)、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、放射能泉の7種類。含まれないのは硫黄泉と酸性泉の2つだけです。
世界的にも珍しい多成分温泉
世界中の温泉と比較しても、これだけ多くの成分がひとつの地域に集中しているのは稀有なことです。有馬温泉が「天下の名泉」と称され、古くから多くの人々を惹きつけてきた理由のひとつが、この豊かな泉質にあります。
金泉(きんせん)とは
赤褐色の含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉
金泉は、有馬温泉を象徴するお湯です。鉄分と塩分を豊富に含み、空気に触れると酸化して独特の赤褐色(金色がかった茶色)に変色します。この色こそが「金泉」の名の由来です。
湧出時は実は透明ですが、湯船に溜まって空気に触れるうちに美しい赤褐色へと変化していきます。

金泉の特徴と入浴時の体感
- 色: 赤褐色(鉄錆のような色合い)
- 味: 強い塩味(海水の約2倍の塩分濃度ともいわれます)
- 温度: 源泉は約83〜98℃と高温。浴槽では適温に調整
- 肌触り: しっかりとした重みのあるお湯。入浴後は肌に塩のベールが残り、保温効果が長続きします
タオルが茶色く染まることがあるので、白いタオルは避けた方がよいでしょう。
金泉に期待される効能
金泉は、以下の症状に対して効能が期待されるとされています。
- 冷え性・末端冷え性
- 腰痛・関節痛・筋肉痛
- 皮膚疾患
- 切り傷・やけど
※ 効能は一般的な泉質に基づく参考情報です。個人差があり、治療を保証するものではありません。
銀泉(ぎんせん)とは
無色透明の炭酸泉・放射能泉
銀泉は、金泉とは対照的に無色透明のお湯です。主に二酸化炭素泉(炭酸泉)と放射能泉(ラジウム泉)の2種類があり、金泉とはまったく異なる入浴体験が楽しめます。

銀泉の特徴と入浴時の体感
炭酸泉:
- 色: 無色透明
- 特徴: 炭酸ガスを含み、肌に細かい泡がつくことがある
- 温度: 金泉より低めで入りやすい
- 肌触り: さらりとした軽い肌触り。入浴後はさっぱりとした爽快感
放射能泉(ラジウム泉):
- 色: 無色透明
- 特徴: 微量のラドンを含む。「万病の湯」として古くから知られる
銀泉に期待される効能
- 高血圧
- 循環器系の不調
- 食欲増進
- 慢性消化器病
※ 効能は一般的な泉質に基づく参考情報です。
金泉と銀泉の入り比べを楽しむ
「金の湯」と「銀の湯」で手軽に体験
有馬温泉に来たら、ぜひ金泉と銀泉の両方を体験してみてください。公共の外湯「金の湯」と「銀の湯」は、いずれも温泉街の中心部にあり、手軽に入り比べが楽しめます。
| 施設 | 泉質 | 料金(大人) | 営業時間 |
|---|---|---|---|
| 金の湯 | 金泉(含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉) | 650円 | 8:00〜22:00 |
| 銀の湯 | 銀泉(炭酸泉・放射能泉) | 550円 | 9:00〜21:00 |
| 2湯券 | 金の湯+銀の湯セット | 850円 | — |
※ 料金・営業時間は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。 ※ いずれも第2・第4火曜日が定休日(祝日の場合は翌日)。

入浴の順番やおすすめの入り方
入る順番に決まりはありませんが、おすすめは銀泉 → 金泉の順番です。
- まず銀の湯でさっぱりと体を温める
- 次に金の湯で濃厚な金泉をじっくり堪能
金泉は成分が濃いため、最後に入ると体に温泉成分がしっかり残り、保温効果を長く楽しめます。
有馬温泉の泉源めぐり
温泉街に点在する泉源スポット
有馬温泉街には、温泉が湧き出す「泉源」が複数あり、間近で見学することができます。蒸気が立ち上る泉源の迫力は一見の価値ありです。

主な泉源スポット
- 天神泉源: 天神社の境内にある有馬温泉最大の泉源。98℃以上の高温の湯が湧き出し、もうもうと蒸気が上がる姿は圧巻です
- 妬泉源(うわなりせんげん): 美しい人が近づくと嫉妬して湯が噴き出すという伝説から名付けられた泉源。路地裏にひっそりとあり、散策中の発見が楽しい
- 炭酸泉源: 銀泉のもととなる炭酸泉が湧く場所。飲泉ができ、独特の炭酸味を体験できます
- 御所泉源: 落ち着いた雰囲気の泉源。周辺の風情ある街並みとともに楽しめます

泉源めぐりは所要時間約30〜40分。温泉街の散策と合わせて楽しむのがおすすめです。
まとめ — 有馬温泉の名湯を深く味わう
有馬温泉の魅力は、金泉と銀泉という対照的な2つの名湯を楽しめることにあります。赤褐色の金泉で体の芯まで温まり、透明な銀泉でさっぱりと整える。この入り比べこそ、有馬温泉でしかできない特別な体験です。
泉源めぐりで温泉の力強さに触れたあとに入るお湯は、また格別の味わいがあるでしょう。
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写真クレジット: 一般財団法人神戸観光局(feel-photo.info)
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